様々なジャンルにおける、最高のクオリティーの明治時代の工芸品約160点が揃う
「超絶技巧!明治工芸の粋」展が、いま三井記念美術館(東京都中央区)で開かれています。
これは展覧会入口風景。 三井記念美術館のレトロでゴージャスな雰囲気と、明治工芸の絢爛豪華な美しさがベストマッチ!
明治時代、日本は先進諸外国から新しい技術を導入するため、外貨の獲得が急務となっていましたが、工業製品を持たない当時の日本にとって、蒔絵や金工、陶磁器、七宝などの工芸品は輸出の最有力商品だったのですね~。
ですから、こうした作品の多くは、長らく海外のコレクターが所蔵していたのですが、清水三年坂美術館の館長、村田理如氏は、四半世紀ほど前に明治の美術品の素晴らしさに魅せられて、収集を始めたそうです(詳細は清水三年坂美術館ホームページをご覧ください)。
今回は展覧会を監修した明治学院大学教授の山下裕二先生と、展示品のコレクターである村田氏も特別ゲストとして参加してくださいました。お二人の解説と楽しいトークを交えながら、鑑賞会が始まります。
世界中のコレクターを魅了してきた「明治のクールジャパン」は精緻極まる名品ぞろい。
それでは、いつくか作品をご紹介します。
展示順ではありませんのでご了承ください。
薩摩 花見図花瓶 錦光山
桜吹雪の中、花見を楽しむ人々が描かれています。
刺繍絵画 孔雀図屏風 無銘(西村總左衛門、千總)
さまざまな色に染められた絹糸を用いて一針一針刺繍を施した精緻な絵画作品です。
ただ残念な事に紫外線による退色などで、よい状態で現存する作品はごく僅かだそうです。
絹糸の持つ独特の輝きは絵具で描いた絵画とは全く異なり、その豪華さに圧倒されます!
金工 花鳥図香炉 鹿島一谷 二代
振り返りながら吼えているような獅子がカワイイ~。胴の部分の花鳥図も見事です。
牙彫・木彫 羊 石川光明
「何か・・・・?」。私も思わず首を傾けてしまいました~^^
金工 蓮葉に蛙皿 正阿弥勝義
カエルが左足を葉から離し、まさに跳ぼうとする一瞬をとらえています。
うまく跳べるかな?
群れ遊ぶ蝶と薄紅の桜の細密な表現、七宝の美しい色合いが画面では充分に伝わらないのが残念です。ぜひ実物をご覧ください。
七宝 桜蝶図平皿 並河靖之
金工 群鶏図香炉 正阿弥勝義
鶏の群れが、とても力強く立体感があり、動きだすかように精細に表現されています。鶏の羽の表現も見事です。
展示室4 中央特設ケース 牙彫・木彫 安藤緑山野菜シリーズ パセリ、とうもろこし等々。パイナップル、柿もおいしそうでした♪
展示室2
牙彫・木彫 竹の子、梅 安藤緑山
スーパーリアルの極めつけがこの竹の子!
本物にしか見えません。
山下先生が「たまには本物と入れ替えてみては?」とおっしゃっていましたが、今が旬だし、アリかも・・・、と思ってしまいました(笑)。
自在とは自由自在に動かせるということ。この蟹と海老動くんです~(展示室では動きません、念のため)。
自在 蟹 無銘
自在 手長海老 明珍
牙彫・木彫 法師狸 高村光雲
ちょっとはすに構えて、コート(?)を肩にかけたような狸がおしゃれです。
牙彫・木彫 老人二童 石川光明
兄にすがる楽しそうな弟、持ち上げようとする兄の優しさ、老人の慈愛に満ちた表情が、とても繊細に表現されています。
薩摩(やきもの) 花鳥図花瓶 錦光山
四季の花々が咲き乱れる花園、鷹や雉が遊ぶ楽園のような光景が、美しく繊細に表現されています。
日本美術に興味はあるけど、わびさびとかはちょっとね~、という方やフィギュアに興味がある方にもオススメの展覧会です。
明治の職人の技量の高さにびっくりさせられると同時に、「どうしてここまでやるの~?」と理屈抜きに楽しめます。
この展覧会をきっかけに明治工芸はさらに注目が集まるな~という気がしてます。
皆さんも会場でぜひお気に入りの1品を見つけてくださいね。
【日 程】
2014年4月19日(土)~7月13日(日)※休館日:月曜日(4月28日、5月5日は開館)、5月7日(水)
【時 間】
10:00~17:00(会期中毎週金曜日は19:00まで) *入館は閉館の30分前まで
【会 場】
三井記念美術館
【料 金】
特別展:一般1,300円(1,100円)、大・高校生800円(700円)、中学生以下無料(カッコ内は団体)
(掲載した写真は主催者の許可をいただいて撮影したものです)
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