2017年1月3日火曜日

ふたたび台北・國立故宮博物院(1)

あけましておめでとうございます。
昨年中はブログ「ぶらり気ままな散歩道」をご愛読いただきありがとうございました。
今年も旅行記をはじめ楽しい話題を提供していきたいと考えていますので、おつきあいのほどよろしくお願いいたします。

さて、今年の第一号は、昨年9月に続いて昨年末に行ってきた台北・國立故宮博物院のレポートです。

お目当ての中国絵画の特集は元朝皇室コレクション。
五代の趙幹、宋の李唐、郭煕から元の趙孟頫、そして元末四大家の呉鎮まで、元の皇室が集めたコレクションの名品が並んでいました。

最初に紹介するのは伝・徽宗皇帝「独鶴図」。
「伝」とはいっても、徽宗皇帝の繊細な筆遣いが伝わってくるようです。

伝・徽宗「独鶴図」

董源と並んで「董巨」と呼ばれた五代・巨然の「渓山林藪図」。

今回の展示で特に楽しめたのが「元人集錦巻」。
趙孟頫、倪瓉、呉鎮はじめ、元代の8人の画家の作品を一つの巻物にしたもので、どれも素晴らしい作品でしたが、誰の作品だか特定できなものが多かったので、「これは倪瓉に違いない」とか「ゆるキャラがいるので呉鎮かな」とか、勝手に想像しながら眺めていました。

これはやっぱり倪瓉。


この絵もいい感じを出しているが誰の作品だろう。

岩の上でくつろぐ高士がいい(アップ写真は下)。


橋を渡って自分の家に帰る高士がこちらをふりかえって「何か用かな」と言いたげなところがいい(アップ写真は下)。


 こちらは趙孟頫の「重江畳幛」。

名品鑑賞のコーナーには呉鎮の「墨竹譜」が展示されていました。
全部で22枚ある図冊で、墨で描かれた竹の絵がずらりと並ぶ中、最後に雪の重みに耐える竹が出てきて、全体を引き締めていました。







郭煕の「早春図」や趙幹の「江山小景」など人気の高い作品は撮影不可でした。
画像は國立故宮博物院の特集ページで見ることができます。

姫君の風雅な集い-元朝皇室と書画鑑蔵文化
(作品名が青字になっている作品をクリックすると画像が出てきます)


昨年9月のツアーに参加したとき、現地のガイドさんから「12月まで試行で館内で撮影ができる」とおうかがいしましたが、1月からはどうなっているのでしょうか。
1月から始まった企画展も私好みの馬遠や夏珪の作品も展示されていて、行ってみたいのですが、近いとはいえ、週末ふらりと行けるほど近くないのが悩ましいところです。

(次回に続く)


「散歩道」もこのところ中国・台湾旅行の紀行文の様相を呈していますが、連載中の中国江南紀行のあとも昨年7月に行った西安旅行をアップする予定なので、中国・台湾紀行はまだまだ続きます。どうかご期待ください。