2016年11月23日水曜日

中国江南紀行2015(2)烏鎮(続き)

平成27年12月25日(金)烏鎮(続き)

江南百床館のとなりが、清末から民国初期までの民俗文化を展示している民俗館。
いかにも入ってみたくなるようなワクワクする入口。看板には「烏鎮民俗風情館」とある。


こちらは衣服を展示する建物。
 書店の風景。

民国当時の学生たちが広めたモダンな服装。孫文(中山)が着ていたので中山服と呼ばれている。

清朝時代の女性の服装。

祭壇も見事。



中国の四季折々の風習を表したジオラマのコーナー。

この雰囲気、ジオラマ好きにはたまらない。

婚礼の様子。
右から二人目が新郎。新郎は結婚するまで新婦の顔を見ることができなかった。新郎の左隣で赤いヴェールをかぶっているのが新婦。


ちょっと脇道にも入ってみたくなる。

こちらにもみごとな祭壇が。

烏鎮の街並みはさらに続く。


猫もたたずむ烏鎮。


 烏鎮名産の藍染「藍印花布」の工房「宏源泰染坊」。



さらに烏鎮は続く。

そして、どこまでも続いてほしいと願いたくなる。

 お土産物屋さんも渋い。

あっという間に過ぎてしまった一時間の烏鎮散策。
外に出ると沈みかけた太陽がクレーンに持ち上げられていた。
(次回に続く)

2016年10月29日土曜日

中国江南紀行2015(1)烏鎮

昨年の年末にも、一昨年と同じく中国江南の旅に行ってきました。
ブログへのアップが遅くなってしまいましたが、今回から何回かに分けて中国江南地方の見どころを紹介していきたいと思います。
今回のインとアウトは今年9月にG20が開催された浙江省の杭州。
杭州から蘇州、無錫、上海と回って、紹興酒で有名な紹興、そして最後に杭州を観光して帰るという、見どころたっぷりの充実した6日間の旅でした。

平成27年12月25日(金)烏鎮

成田空港から杭州までは約3時間50分のフライト。
さらに杭州からは2時間ほどバスに揺られ、水郷の上に古い町並みが浮かぶ水郷古鎮、烏鎮にたどり着いた。

水郷沿いに並ぶ旧家と水郷に浮かぶ小舟。
朝は日本にいたはずなのに、午後には1000年も昔の中国に迷い込んだような不思議な感覚。






ここはかつての薬局、香山堂薬局。
右側の棚に並ぶ陶器の壺にはかつて薬が入っていたのだろう。



東大街に沿って歩いていく。とてもいい雰囲気の路地。どこもまでも続いてほしいと思いたくなる。


ほどなく歩いていると見えてくるのが、江南百床館。
日本語で「江南ベッド博物館」との表記も見える。



その名のとおり、ここには明清から近代にかけての豪華絢爛なベッドが展示されている。



細部の彫刻まで手が込んでいる。


昔の裕福な家の人たちは、夜寝るだけでなく、昼間もベッドでくつろいでいたということをものの本で読んだことがあるが、まさに部屋の中にさらに豪華なつくりの部屋があるといった感じだ。

(次回に続く)


2016年9月14日水曜日

台北國立故宮博物院

今年も中国絵画が見たくなったので、思い立って台北の國立故宮博物院に行ってきました。

明 劉度 仿趙幹画山水

現在開催中の中国絵画の特集は、

五代から北宋にかけての巨然(きょねん)や郭煕(かくき)、そして元末四大家の一人、倪瓚(げいさん)、それに明清の名画がずらりとならんだ「造形と美感-中国絵画の精粋」、

巨大なサイズの絵をそろえた「巨幅書画」、

そして扇に描かれた絵が展示されている「恵風和暢-摺扇の精粋」。

どれも見応え十分で、台北國立故宮博物院の所蔵作品の素晴らしさにあらためて目を見張るばかりですが、今回驚いたのは館内の写真撮影がOKになっていたこと。
現地のガイドさんのお話によると、9月1日から12月まで試験的に館内撮影を許可しているとのことです。

ということで、今回は中国絵画の精粋を思う存分撮ってきました。

こちらは「恵風和暢-摺扇の精粋」の部屋の入口です。
看板の下には左からフラッシュ禁止、三脚、自撮り棒禁止といった注意事項が、中国語、英語、日本語で記載されています。




(写真撮影ができるようになったことは台北國立故宮博物院の公式サイトには特に記載されていません。突然今までのように撮影不可になるかもしれないので、必ず現地へ行って確認してください。)

さて、ここからは展示作品の紹介。スペースの関係でほんのさわりしか紹介できませんが、ご興味のある方は、ぜひとも現地で台北故宮のコレクションの充実ぶりを味わってください。

さて、まずは「造形と美感-中国絵画の精粋」。
いきなり巨然「秋山間道図」。


続いて郭煕の「関山春雪図」。

そして倪瓚「江岸望山図」。


「造形と美感-中国絵画の精粋」のコーナーでの私のお気に入りは全長約4.8mの力作、清の周鯤「升平万国図巻」。


清代で最も栄えた乾隆帝時代に描かれただけあって、まるで清明上河図のよう。
都市の繁栄ぶりがよく伝わってきます。小さいながらも人物が一人ひとり表情豊かに描かれていて、いったい何人の人が登場するやら、眺めているだけで楽しくなってきます。




次は巨幅のコーナー。


続いて屏風のコーナー。金地に描かれた山水画がとてもきれいです。

明 陸治 画秋林


1階には動く中国絵画のスクリーンもあります。
まるでチームラボの作品を見ているようで楽しめます。

明代の画 出警入蹕図

台北國立故宮博物院には、もちろん絵画の他にも素晴らしい歴代皇帝の文物が多く展示されています。

こちらは青磁のコーナー。
説明書きには、「世界で唯一残っている蓮花式温碗。お酒を入れるボウルとして使われた」とあります。


ここまで来たところで通常開館時間の午後6時30分になりましたが、金曜日、土曜日は午後9時まで開院しているのでまだ時間はたっぷりあります。
でも、写真撮影ができるのは通常開院時間の午後6時30分までなので要注意。

上記で紹介した中国絵画の作品展は9月25日までです。
ちなみに翠玉白菜と肉型石は出張中のため現在は展示されていませんのでご用心。

國立故宮博物院の公式サイトはこちらです。

http://www.npm.gov.tw/ja/Article.aspx

今回の旅行は正味一日だけの観光でしたが、忠烈祠では衛兵の交代式も見てきました。


昼食は蒙古焼肉のレストラン「大戈壁」でバーベキュー。
肉や野菜を好きなだけ取って、調理場に持っていくとコックさんが大きな鉄板で手際よく焼いてくれます。
ボリュームもたっぷりで、デザートのタピオカもいただいて大満腹、大満足でした。
バーベキューの他にも点心や中華料理もありましたが、とても手が(おなかが?)回りませんでした。



宿泊したホテルは去年と同じ帝后大飯店(エンプレスホテル)。居心地が良くてすっかり台北での定宿になりました。
朝食も充実です。



2016年8月21日日曜日

故宮博物院90周年・2つの故宮めぐり(北京編その3~最終回)

平成27年9月22日(火)

さて、いよいよ今日は故宮博物院。
さすがに一大観光名所だけあって朝から多くの観光客が来ている。


故宮の中は広く、見どころもたくさんあるが、めざすは書画を展示している武英殿。
そして張択端「清明上河図」。

武英殿に向かう途中にこんな看板があった。
「爆満」という文字が見える。
中国の至宝「清明上河図」を目あてに来る人がたくさんいるのだろう。


今日は長丁場になるのは覚悟していたので、朝食はしっかり食べた。
宿泊したハワードジョンソンパラゴンホテルは朝食も充実していて、朝食会場も建物の中庭を利用した吹き抜けになっているので開放感がある。


翌日は早朝出発で朝食を食べている時間がないので、この日が最初で最後の朝食。
料理もおいしいし、1日だけというのはもったいない。
焼きそばが特に美味。


張択端「清明上河図」は、香港や上海で展示された時は待ち時間3~4時間と聞いていた。そして、2012年に東京国立博物館に展示された時は90分待って見ることができた。今回も3時間くらいは待つかなと思いながら列に並んだ。

林の向こうに並ぶ人たちがかすかに見える。


列に並んだのは午前10時過ぎぐらいだった。
1時間ほど経過して武英殿の門まで並ぶ列の3分の1ほど進んだので、これなら3時間で入れるか
なと思っていたが、そこから先が長かった。
結局、武英殿の門の近くまで来たのがなんと午後4時過ぎ。
その間、交代でトイレに行ったり、前の日に買ったパンを立ったままかじったりして、ひたすら待ち続けた。
途中、ワゴンで図録を売っていたので、それを買って、パラパラ見たりもしていた。



ようやく門の中に入ったのが午後5時過ぎ。本来なら故宮博物院閉館の時間だ。
それでも5時までに並んだ人は中に入ることができるということなのだろうか。
そもそも今日は何時まで開館しているのだろうか。入口の看板や公式サイトには何も書いていないし、中国語が喋れないので周りの人にも聞くわけにもいかなかった。

そのうちに列に割り込もうとした人と、並んでいる人たちとの口論や、割り込みをきちんと止めない係員への怒声とそれにやり返す係員の怒声が入り交り、一時あたりは騒然となった。
こんなのに時間をとって、せっかくここまで並んだのに入れなかったらどうしようと不安になったが、前の方で並んでいる若い女の子たちのグループは、その騒ぎを見ながら「しょうがないわね」という感じくすくす笑っていた。

不安げに時計を見たりしていたら、隣に並んでいた若い男性が英語で話しかけてきた。
私が「絵を見ることはできるのでしょうか。」と聞くと、「大丈夫です。今日は夜10時まで開館しています。」と言う。
私は「そうですか。これで安心しました。」といってお礼を言った。
親切な人が隣にいて本当に良かった。

中に入ってからも、列からはみ出しそうになったら、「こちらに並んでも見ることができますよ」と中国人女性が日本語で教えてくれた。海外で困ったときに親切に声をかけてくれるととてもうれしい。

他にも館内で並んでいると、やたら親しげに中国語で話しかけてくる若者がいたので、申し訳なさそうにつたない中国語で「私は日本人です。」と伝えたら、「そうか日本人か。」と言いながら、それでも終始ニコニコして話しかけてきた。
きっといい人なのだろう。カタコトでも中国語ができれば会話もできただろうにと思う。

さて、武英殿の門の中には入ったが、ここから武英殿の建物までさらに長い列があった。
どうやら中の混雑を避けるために、入口で入場制限をしているようだ。



ようやく建物の入口の前まで来たとき、今まで何ともなかった空一面に黒い雲が広がり、稲光がして大粒の雨が激しく降ってきた。
私たちはすでに建物の庇の下まで来ていたので雨に濡れなかったが、後ろに並んでいる人たちは係員の誘導で建物の庇の下に移動した。

そしてようやく建物の中に入ったのが午後6時。待つこと8時間!
武英殿は清代に建てられた建物で、内装はそのまま残してガラスケースの中に美術品が展示されている。さきほどの黒い雲と雷雨のせいで、まるで時空を超えて清代にタイムスリップしたような感覚になった。

中に入っても押すな押すなの状態で、「清明上河図」にはなかなかたどり着けず、たどり着いても人に押されてゆっくりと見れる状況ではなかったが、それでもとりあえず「清明上河図」を見るという今回の旅行の目的を達成することができた。

武英殿には他にも宋、元、明の山水画など中国絵画の名品の数々が展示されているので、それだけでも十分見ごたえはある。それでも他の作品を見ている人はあまり多くない。
どうやら「清明上河図」だけ見たら満足して帰る人が多いようだ。
おかげで、こんなに素晴らしい展示をゆったりと見ることができた。

(館内は撮影禁止なので、作品の素晴らしさが伝えられないのは残念)

他の作品を見終わって「清明上河図」の列を見てみると、並んでいる人も随分と少なくなってきたのでもう一度並ぶことにした。
結局、2回並び、心ゆくまでじっくりと「清明上河図」を味わうことができた。

そのあとは武英殿の敷地内にある左右両方の建物内の展示も見て、すっかり満足して故宮博物院を出た。時間は8時過ぎになっていた。雨はもうすっかり止んでいた。
そして夜間だけ特別に開いていた門を出て、故宮沿いに地下鉄の駅まで向かっていたら、しきりに中国語で話しかけてきた若者が私たちの前を小走りに人ごみの中に入って行くのが見えた。
あいかわらず楽しそうな感じだった。この時間になったということは、「清明上河図」だけ見てすぐに帰るのでなく、中国書画をじっくり見ていたということなのだろう。

ホテルに戻り、近くのスーパーで買ったパンとビールと干しブドウで軽い晩酌。




翌日は朝5時半にホテルを出て、8時45分発のチャイナエアで北京を発ち、約3時間のフライトで羽田空港に到着した。

東京から片道3時間飛んだだけで入り込んだ全くの異次元空間。
まるで夢を見ていたような3日間だった。
(北京編おわり)