軍港めぐりクルーズのあとは昼食。メニューはもちろん「海軍カレー」。
「海軍カレー」のお店は迷ってしまうほどあるが、口コミ情報や店の雰囲気を考え、記念艦三笠に行く途中ということもあるので、どぶ板通りをてくてく歩いて、
「どぶ板食堂Perry」に入ることにした。
店の雰囲気はアメリカのバーそのもの。
店の奥の方では米兵とおぼしき青年たちが海軍バーガーやフライドポテトを食べながら談笑していた。この日は土曜日だったのできっとオフなのだろう。
カウンターの上の方を見上げてみると福助の人形が置いてある。こんなところは日本を感じさせてくれる。
注文して10分ほどで海軍カレープレートが運ばれてきた。
カレーライスに鳥のから揚げ、フライドポテト、福神漬け、サラダ、それに海軍カレーに欠かせない牛乳。
鳥のから揚げとフライドポテトは、アメリカン風にテーブルに置いてあった巨大な入れ物のケッチャップとマスタードをたっぷりかけた。鳥のから揚げとマスタードは意外と合うのを発見した。
そして主役のカレーは、具がよくルーに溶けて味わい深く、適度な辛さ。カレーを食べながら牛乳を飲むと、辛さがやわらぎマイルドな味が口の中に広がる。
お店の人たちの対応もさわやかだし、カレーが出てくるのも早いし、味もいいしで、この店はお勧めです。
少し遅めの昼食を終え、ふたたびどぶ板通りを歩き、米海軍基地の前を過ぎて、三笠公園に。
記念艦三笠の前で東郷元帥がお迎え。
入口の階段を上って艦内に入ると、
8センチ副砲が遠くの海原に向かってにらみをきかす。
こちらは15センチ副砲。
副砲1門につき10人の兵士が配置され、その10人はここで寝食をともにする。
真剣なまなざしの若い水兵さんたち。
寝るのはハンモック。
艦内には当時の調度品もきれいに保存されている。
ここは司令長官浴室。
艦内に浴室があるのはあとは艦長用だけ。
こちらは執務室。家具は当時のまま。
艦尾近くの司令長官公室。ここで来賓のレセプション、戦時には作戦会議などが行われた。
三笠に来るのはおそらく40年ぶりぐらい。
日本海海戦の紹介ビデオも昔はフィルムだったが、今ではCG。
時代は変わったものだ。
けれども以前は見かけなかったこのジオラマのアナログ感は、何とも言えない味わいがある。
手前はロシア・バルチック艦隊が北上しているところ。
奥の聯合艦隊は、敵艦隊を前に一斉回頭している。のちに有名になった「東郷ターン」だ。
戦艦の主砲部分の豆電球が時おり光り、主砲を発射しているように見せている。
戦艦群のそばには敵の砲弾が飛んできて水柱が立つ凝りようだ。
これはいつまで見ていても飽きない。
それにしても艦内には若い女性のグループが多い。
ここでも若い女性の二人組が興味深そうに見入っていた。
若い男性もいたが、みんなカップルで来ていたので、圧倒的に女性の比率が高い。
歴史の好きな女性たちのことを指す「歴女(れきじょ)」という言葉があるが、彼女たちは、「歴女」の中でも特に近現代史や軍事に興味をもつ「軍女(ぐんじょ)」なのだろうか。
艦橋に上り艦首方向を臨む。
探照灯が可動式だというのは知らなかった。
艦首方向から30センチ主砲、マストを臨む。
マストには、日本海海戦の時と同じくZ旗がはためいている。
甲板には三笠が使った砲弾も展示されている。
主砲はしっかり対岸の米軍基地に照準を合わせている。
そして最後に艦首方向から全景を臨む。
久しぶりの三笠。
こんなに見ごたえあるものだとは思わなかった。
閉館間際までたっぷり2時間は艦内にいた。
この日のおみやげはZ旗(小)250円。
昼間は晴れていて気温も高く、それによく歩いたので、さすがにのどが渇いてきた。
三笠を出た後は、横須賀中央駅の方に向かい、途中の鮮魚居酒屋で打上げ。
ビールがおいしかった。
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(「天気晴朗ナレド波高シ~横須賀軍港めぐり~」終わり)