2013年11月30日土曜日

横浜 近代日本画の旅

先週の土曜日(11月23日)、秋晴れのやさしい日差しに誘われるように美術館めぐりを兼ねて横浜・近代日本画ゆかりの地を歩いてみた。

まずは岡倉天心生誕の地。


福井藩士の次男として生まれた天心の家は、現在では横浜開港記念会館になっている。


今年は天心生誕150年、没後100年のいわば「天心イヤー」。
明治維新後、押し寄せる西洋美術の嵐の中、日本美術の良さを守り抜いた天心。
その天心の生きざまを描いた映画「天心」は現在、横浜ニューテアトル他で上映中。
(映画「天心」公式HP)
http://eiga-tenshin.com/news/

天心の変人ぶりを竹中直人が何の違和感もなく演じている。
横山大観役の中村獅童はじめ、菱田春草、下村観山、木村武山ほかの日本画家を演じる俳優たちもそれぞれいい味を出している。
これは近代日本画ファン必見の映画!


続いて天心とも交流のあった横浜の実業家・原三渓(1868-1939)がつくった三溪園。
大池から三重塔を臨む。
木々は色づき、水鳥たちが船でたたずむのどかな光景が広がる。


園内には四季折々の花が咲き、全国各地から集められた建築物が公開される時期もある。
下の写真は、紀州徳川家初代藩主の頼宣が建てた臨春閣が4年前の8月に公開された時に撮ったもの。



三渓は、明治後期から大正にかけて、下村観山、安田靫彦、小林古径、前田青邨といった、当時の若手日本画家たちを経済的に援助するだけでなく、彼らを自宅に招き、宗達や光琳といった自分が収集したコレクションを惜しみなく見せたという。

現在、三溪記念館で展覧会が開催されている今村紫紅も三渓の支援を受けた一人。
パンフレットの作品は、三渓が紫紅を支援する決め手となった「護花鈴」。



今回展示されている30点あまりの絵画のうち、約半数は「三溪旧蔵品」。
関東大震災により日本画家たちへの支援も途絶え、収集した美術品も手放さざるをえなかったら三渓にとって、これはまさに「里帰り展」。
近代日本画と横浜、そして三渓との深いかかわりを知るには絶好の展覧会。
(12月8日まで開催しています。紅葉を見ながら紫紅の「いろ」を味わってみてはいかがでしょうか。)


午後は横浜美術館で開催されていた「横山大観展」。

前期も行って「屈原」の迫力に圧倒されたが、今回も後期展示の「夜桜」(上のパンフレットの上段の絵)に大観の気合を感じた。

大観展は24日で終わってしまったが、12月7日からは下村観山の展覧会が始まる。


横浜・近代日本画の旅はまだまだ続きそうである。
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