2016年1月11日月曜日

新春・京都美術散歩

あけましておめでとうございます。
昨年一年間ご愛読いただきありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。

さて、今年も「京の冬の旅」非公開文化財特別公開に誘われて、土日にかけて新春の京都に行ってきました。

最初に訪れたのは建仁寺開山堂。
客殿の室中の間には左右の襖に描かれた龍と虎がにらみ合う加藤文麗の水墨画「龍虎図」。
上間と下間には原在中の「松鶴波図」「「白梅群禽図」。杉戸絵「孔雀図」「滝図」も原在中の作品で、とても力強く描かれていました。

建仁寺では現在、特別展「禅と武と画の生涯」が開催中です。
海北友松によって描かれた方丈障壁画(高精細デジタル複製)を、普段なら入れない部屋の中に入って間近に見ることができます。
本坊入口のポスターには「息のかかるほど間近な距離でご覧いただけます」と書かれていましたが、まさにその通り。
龍の鼻毛までよく見えて、龍の荒い鼻息がかかってきそう。

海北友松「雲龍図」

とても鋭い爪。今にもつかまれそう。


 こちらが全景です。二頭の龍が黒雲から姿を現すところはいつ見ても迫力があります。

2年前(2014年5月5日)にこのブログでも紹介しましたが、こうやって写真まで撮れるのはうれしい限りです。建仁寺さんありがとうございます。

午後は妙心寺天球院。
狩野山楽、山雪のきらびやかな金碧障壁画だけでなく、墨の濃淡だけで描かれた山水画の世界も印象的でした。


翌日には真如寺に行ってきました。



ここの見どころはなんといっても原在中の障壁画。
特に「西湖図」は、昨年末、実際に中国・杭州にある西湖に行ってきただけに、その時に見た光景と原在中の描いた西湖の景色を重ね合わせて、しばし部屋の前にたたずんでいました。

これで「京の冬の旅」の公開寺院を3ヶ所まわったので、恒例のスタンプラリーでちょっと一服。
京都駅近くにある「京湯元ハトヤ瑞鳳閣」のレストラン栄寿庵で抹茶と宇治金時をいただきました。とても美味しくて、ゆったりとくつろげました。



ちょうどこの時期は京都にしては暖かく、初日の夕方には友禅染の老舗・千總のコレクションを展示する千總ギャラリーへ行ったり、笹を求める人たちでにぎわう祇園の恵比寿神社に行ったり、2日目の午後は京都国立博物館で新春特別陳述「さるづくし-干支を愛でる-」を見たりと、盛りだくさんの内容で、とても心地の良い週末でした。

「京の冬の旅」のサイトはこちらです。それぞれの寺院の公開期間等はこちらでご確認ください。
https://www.kyokanko.or.jp/huyu2015/huyutabi15_01.html

〈Y〉