今回の西安旅行では、夕食後に散策した夜の西安の印象が特に強かった。
日が暮れると市街はにわかに活気を帯びてきて、街じゅうが賑やかで華やかになってくる。
はじめに訪れたのは唐代の街並みが再現された永興坊。
夜も蒸し暑さが残り、とても夕涼みといえるほど涼しくはなかったが、空海や阿倍仲麻呂がこういった街の中を歩いていたのでは、と想像すると楽しい気分になってくる。
唐代の再現といっても古ぼけた感じはなく、小綺麗で、現代でも通じるようなオシャレな街並みが続く。
それでも店の壁に立てかけられた車の大きな車輪が唐代を偲ばせてくれる。
ここは特に人が多くて賑やか。
これでもかと店先にあふれる食べ物に圧倒される。
柱にひっかけて麺を伸ばしている人もいる。
これは西域のパン?
この通りがどこまでも続いてほしいと思うが、残念ながら旅には終わりがある。
夕食前に行った陝西歴史博物館も見応えがあった。
古代文明から秦、漢、魏晋南北朝、隋、唐、宋、明、清に至るまでの文物がずらりと展示されている。なにしろ展示品が質量ともに半端ではない。
古代文明から秦、漢、魏晋南北朝、隋、唐、宋、明、清に至るまでの文物がずらりと展示されている。なにしろ展示品が質量ともに半端ではない。
らくだの上にこんなに多くの人が乗っかているところは見たことがない!
唐時代(618-907)の三彩の駱駝俑。
北周時代(557-581)の墓石門。奥の棺内の絵が鮮やか。
なんといってもこの数の多さに圧倒される。
前漢時代(前206-後8)の兵馬俑。
前漢時代(前206-後8)の兵馬俑。
唐時代の十二支の動物をかたどった俑。
こちらも唐時代の俑で、胡人が馬に乗ったり、馬を牽いている姿をかたどっている。
こちらは明時代(1368-1644)の俑。これだけそろうと壮観!
実質2日間という短い旅だったが、とても内容の充実した西安の旅だった。
西安には碑林博物館はじめ、まだまだ見どころもあるし、西安からだと洛陽や敦煌まで足が伸ばせるので、この暑い西安にまたいつか来てみたい、と思いながらイルミネーションのきれいな永寧門(南門)を後にした。
(「中国西安紀行」終わり)