2017年2月19日日曜日

ふたたび台北・國立故宮博物院(2)

2階の中国絵画のコーナーをひととおり見たあとは、前回は時間切れで写真が撮れなかった清代の陶器コーナーに移りました。

鮮やかな色使いの康熙帝(在位1661-1722)コレクション

凝ったつくりの乾隆帝(在位1735-1795)コレクション

上の写真のうち、中にある金魚が描かれた器が回転する一番左の青い瓶と、右から二番目の龍が描かれた冠架(皇帝の冠を架けるもの)は、2014年に東京国立博物館で開催された「台北 國立故宮博物院展」で見た記憶があるが、同じものだろうか。

器の中に金魚を描いた器が入っている。

皇帝の冠を架ける冠架


そして清朝最後の皇帝・宣統帝(在位1908-1912)のコレクション
続いて1階のミニチュアコレクションのコーナー。
もともとプラモデルとか食玩とかが好きなので、玉(ぎょく)や器、書物のミニチュアを見るとほしくなってしまうほど、このミニチュアコレクションのコーナーは特に私のお気に入りの場所。





松竹が描かれた日本の蒔絵の箱も展示されていました。


次に1階の動く中国絵画のコーナーに行ってみると、今回展示されていたのは文徴明の「赤壁図」。
こちらはスクリーンに映し出された「赤壁図」。
登場人物が歩いてきたり、鶴が飛んできたり、見ていて飽きないです。



そして6時半も近づいてきたので、エレベーターで急いで3階に上がり、南院の出張から戻ってきた翠玉白菜をパチリ。



この日は土曜日だったので、9時まで開館していましたが、写真を撮れるのは6時半までなので、撮影はここでタイムアウト。

ここでおなかも空いてきたので、もう一度2階の中国絵画のコーナーに戻り、お気に入りの作品を見てから國立故宮博物院を後にしました。

士林駅前のバス停でバスを降りて、信号待ちをしていたら、私たちの喋る日本語が聞こえたのか、私たちの前で同じく信号待ちしていた高齢女性がにこにこ笑顔で後ろを振り返り、「私は台湾で日本の教育を受けました。」と話しかけてきました。

「日本語はだいぶ忘れました。」と言われていましたが、学校時代の校長先生や担任の先生の名前をはっきりと覚えていて、最後に「お話できてよかった。」と笑顔でお別れのあいさつをされました。

今回の台湾旅行の前に、これだけ何回も台湾にいくのだから、少しは台湾の勉強でもしなくては、と思い、中公新書の『台湾』(伊藤潔著)を買って、行く前や行きの飛行機の中で読んでいました。

その中に、

「・・・植民地統治下の台湾では、日本人官吏や警察官と比べて、概して教師は使命感が強く、
 人格的にも優れ、敬愛と信頼を集めていた。
    今日の台湾人年配者に多く見られる親日感情は、これら日本人教師に負うところ大である。」
(同書P117-118)

とありましたが、士林駅前での日本の教育を受けた高齢女性との短い会話を通じて、まさにこのことを実感しました。日本統治下に台湾で教育にあたった教師のみなさんに感謝です。

夕食は、以前にも入った士林駅前の台湾素食の店で。

「日本のどこから来たの。」
「横浜から。」
「横浜には大きな中華街があるね。」
「でも素食の店はないんですよ。」
「そうか。」

店のご主人とのこういった会話が日本語で成り立ってしまうところが台湾のいいところ。



今回宿泊したのは、台北市街の北の丘の上にそびえる、あの有名な圓山大飯店。


安いツアーだったので、窓に面していない「インサイドルーム」でしたが、部屋は広く、浴室もきれいで、トイレも海外では珍しくウォシュレット!
もちろん朝食も豪華で、バラエティに富んだ料理が楽しめるバイキング。

二泊三日とはいえ、初日は午後便、三日目も午後すぐの便なので、実質一日だけの日程でしたが、午前中は圓山大飯店の丘を降りて圓山駅から歩いて7~8分の保安宮と台北孔廟に行ってきました。

医学の神様「保生大帝」を祀った保安宮。
こちらはその前殿。両側の柱に巻き付く龍や、門扉の獅子はじめ、彫刻がとても鮮やかです。

こちらは正殿。地元の人たちがお参りに来られてました。私たちも無病息災を願ってお参りしました。



こちらは後殿です。一つひとつの祠に神様が祀られていて、その前には色とりどりのお供え物が供えられていました。
後殿
正殿前に戻ってくると、人が入った人形が突然現われてきました。


こちらでは係の人たちがまるで祇園祭の山鉾のような飾り付けをした山車を組み立てていました。


年一回、保生大帝の生誕日(旧暦の3月15日)を記念して街を練り歩くための練習をこれからするとのことです。

続いて入ったのが保安宮に隣接する台北孔廟。
保安宮と比べて人も少なく、ひっそりとしていましたが、とても趣きのある建物です。
孔子の業績を紹介する資料コーナーもあって興味深かったのですが、そろそろ昼も近づいてきたので、また今度来ることにして台北孔廟を後にしました。


孔子のゆるキャラもいました。


あっという間の台北滞在。
それでも台北だと、成田から3時間ちょいのフライトでたどり着いてしまうほどの気軽さがとても心地よいです。
台北國立故宮博物院は、特に中国絵画のコーナーの展示替えが年に何回かあるので、これからも目が離せません。
きっとまた近いうちに台北に行きたくなるでしょう。

(「ふたたび台北・國立故宮博物院」おわり)

2017年1月3日火曜日

ふたたび台北・國立故宮博物院(1)

あけましておめでとうございます。
昨年中はブログ「ぶらり気ままな散歩道」をご愛読いただきありがとうございました。
今年も旅行記をはじめ楽しい話題を提供していきたいと考えていますので、おつきあいのほどよろしくお願いいたします。

さて、今年の第一号は、昨年9月に続いて昨年末に行ってきた台北・國立故宮博物院のレポートです。

お目当ての中国絵画の特集は元朝皇室コレクション。
五代の趙幹、宋の李唐、郭煕から元の趙孟頫、そして元末四大家の呉鎮まで、元の皇室が集めたコレクションの名品が並んでいました。

最初に紹介するのは伝・徽宗皇帝「独鶴図」。
「伝」とはいっても、徽宗皇帝の繊細な筆遣いが伝わってくるようです。

伝・徽宗「独鶴図」

董源と並んで「董巨」と呼ばれた五代・巨然の「渓山林藪図」。

今回の展示で特に楽しめたのが「元人集錦巻」。
趙孟頫、倪瓉、呉鎮はじめ、元代の8人の画家の作品を一つの巻物にしたもので、どれも素晴らしい作品でしたが、誰の作品だか特定できなものが多かったので、「これは倪瓉に違いない」とか「ゆるキャラがいるので呉鎮かな」とか、勝手に想像しながら眺めていました。

これはやっぱり倪瓉。


この絵もいい感じを出しているが誰の作品だろう。

岩の上でくつろぐ高士がいい(アップ写真は下)。


橋を渡って自分の家に帰る高士がこちらをふりかえって「何か用かな」と言いたげなところがいい(アップ写真は下)。


 こちらは趙孟頫の「重江畳幛」。

名品鑑賞のコーナーには呉鎮の「墨竹譜」が展示されていました。
全部で22枚ある図冊で、墨で描かれた竹の絵がずらりと並ぶ中、最後に雪の重みに耐える竹が出てきて、全体を引き締めていました。







郭煕の「早春図」や趙幹の「江山小景」など人気の高い作品は撮影不可でした。
画像は國立故宮博物院の特集ページで見ることができます。

姫君の風雅な集い-元朝皇室と書画鑑蔵文化
(作品名が青字になっている作品をクリックすると画像が出てきます)


昨年9月のツアーに参加したとき、現地のガイドさんから「12月まで試行で館内で撮影ができる」とおうかがいしましたが、1月からはどうなっているのでしょうか。
1月から始まった企画展も私好みの馬遠や夏珪の作品も展示されていて、行ってみたいのですが、近いとはいえ、週末ふらりと行けるほど近くないのが悩ましいところです。

(次回に続く)


「散歩道」もこのところ中国・台湾旅行の紀行文の様相を呈していますが、連載中の中国江南紀行のあとも昨年7月に行った西安旅行をアップする予定なので、中国・台湾紀行はまだまだ続きます。どうかご期待ください。

2016年12月18日日曜日

中国江南紀行2015(3)木瀆古鎮

平成27年12月26日(土)木瀆古鎮

二日目は前日の烏鎮に続いて運河沿いの水郷古鎮・木瀆。



清の乾隆帝が6回も訪れただけあって、小さいながらもとても風光明媚な街。


どんな街並みなのか期待させてくれる門

木瀆は土産物店が多いのが特徴
午前なので人はまだまばら

運河にかかる橋

明月古寺


案内板もきれいで分かりやすい。日本語の標記があるのもうれしい。もちろん、中国は漢字表記なのでだいたいの意味が分かるのが便利なところ。



約1時間の散策を終えて駐車場に戻ると、乾隆帝が6回も訪れた場所との大きな看板が立てられていた。


(次回に続く)





2016年11月23日水曜日

中国江南紀行2015(2)烏鎮(続き)

平成27年12月25日(金)烏鎮(続き)

江南百床館のとなりが、清末から民国初期までの民俗文化を展示している民俗館。
いかにも入ってみたくなるようなワクワクする入口。看板には「烏鎮民俗風情館」とある。


こちらは衣服を展示する建物。
 書店の風景。

民国当時の学生たちが広めたモダンな服装。孫文(中山)が着ていたので中山服と呼ばれている。

清朝時代の女性の服装。

祭壇も見事。



中国の四季折々の風習を表したジオラマのコーナー。

この雰囲気、ジオラマ好きにはたまらない。

婚礼の様子。
右から二人目が新郎。新郎は結婚するまで新婦の顔を見ることができなかった。新郎の左隣で赤いヴェールをかぶっているのが新婦。


ちょっと脇道にも入ってみたくなる。

こちらにもみごとな祭壇が。

烏鎮の街並みはさらに続く。


猫もたたずむ烏鎮。


 烏鎮名産の藍染「藍印花布」の工房「宏源泰染坊」。



さらに烏鎮は続く。

そして、どこまでも続いてほしいと願いたくなる。

 お土産物屋さんも渋い。

あっという間に過ぎてしまった一時間の烏鎮散策。
外に出ると沈みかけた太陽がクレーンに持ち上げられていた。
(次回に続く)