この展覧会は、長年にわたり肉筆浮世絵の蒐集につとめてこられた氏家武雄氏が鎌倉市と協力して設置した公益財団法人「氏家浮世絵コレクション」の設立40周年を記念した開催されたものです。
前期後期あわせて58点展示された作品のうち、今日見ることができたのは後期展示の38点。
その中でも特に北斎の作品が充実していて11点もありました。
中には「八十四老卍」「画狂老人卍」といった落款もあって、北斎80歳前後の作品だったようですが、筆の細やかさに衰えは見られず、それになにより北斎は本当に絵を描くことが好きだったんだな、と実感しました。
それから、北斎のスケッチブック「一枚物各種」に虎が描かれていましたが、まるで応挙の虎のようにかわいかったのが微笑ましかったです。
他にも浮世絵の租といわれた菱川師宣の「桜下遊女と禿図」、下巻に描かれた画中の掛軸の落款が「英一蝶(はなぶさいっちょう)」というユーモアのセンスが出ている奥村政信の「当流遊色絵巻」上下2巻、狩野典信に学んだ鳥文斎栄之の「御殿山花見絵巻」、モノトーンでしぶく描いた鳥橋斎栄里の「御殿山花見絵巻」、などなど、見ごたえ十分です。
広重の「高輪の雪・両国の月・御殿山の花図」の3幅は、風情のある作品で、思わず見とれてしまいました。
そこで今回のおみやげは、3幅のうち「両国の月」(1枚100円の絵はがき)。
会期は次の日曜日(2月15日)までです。
平常展示の「鎌倉の仏像」も見ごたえがあります。
今週末、「鎌倉浮世絵散歩」というのはいかがでしょうか。
鎌倉国宝館のあとは、梅を見に荏柄天神社へ。
境内左側の白梅はまだちらほらでしたが、右側の紅梅はこんもりと咲いていました。
それにさすが学問の神様。
受験シーズンだけに拝殿の両側にはあふれんばかりの絵馬が掛けられていました。
かくいう私も、甥っ子の高校入試合格をお願いしてきました。
夕方家に帰ってきて万歩計を見たら14,017歩。
心地よい疲れの残る、とてもいい休日の午後でした。
<Y>
追記
甥っ子が希望の高校に受かったので、荏柄天神社にお礼参りに行ってきました。どうもありがとうございました。