2016年6月25日土曜日

故宮博物院90周年・2つの故宮めぐり(北京編その1)

昨年は7月の台北故宮博物院に続いて、9月には北京の故宮博物院に行ってきました。
北京故宮の一番の目的は何といってもこの時期限定で武英殿に展示されている張択端の「清明上河図」。

今回の旅行の行程は全部で3日間。
初日は午後に北京に着いて半日は市内散歩、2日目に故宮博物館でじっくり時間をとって、3日目は早朝便で日本に帰るという駆け足の旅でしたが、お目当ての「清明上河図」をじっくり見ることができてとても充実した旅行でした。


平成27年9月21日(月)

北京空港に降り立ち、入国検査を済ませて出口に向かうと、通路の横に見覚えのある絵が。
3年前に東京国立博物館で開催された「北京故宮博物院200選」で展示されていた張択端の「清明上河図」の大きな複製ではないか。
中国らしく、見事な木彫りの彫刻で飾られた大きな額に収まっている。


近くで見てみると、細部までよく描かれているのがわかる。この場面は「清明上河図」のクライマックスの虹橋。


空港からホテルに向かい、チェックインをすると、お昼ご飯にちょうどいい時間。

宿泊したハワードジョンソンパラゴンホテル北京は北京駅のすぐ近くにある。
ホテルの地下から地下のレストラン街につながる通路を通って行くと、ちょうどいい具合にフードコートがあった。



例によって身振り手振りで、野菜と大豆製品中心のメニューを注文して、まずは胃袋から中国旅行に浸ることにした。このボリュームで値段は12元(約240円)。





昼食の後は、故宮のすぐ北から西北に隣接する古い北京の街並みが残されているあたりを散歩した。

まずは故宮の真北に位置する、元の時代(1272年)に創建された鼓楼。かつては太鼓で時を知らせていた。




鼓楼の正面に位置しているのが、明代の永楽帝時代(1420年)に創建され、清の乾隆帝時代(1747年)に再建された鐘楼。


続いて鐘楼の向かい近くに入口のある、名前からしてあやしげで何となく興味をそそる北京烟袋斜街に入って行った。



通りの名前は、清末にキセルなどを売っていたことに由来しているようで、斜街というだけあって、通りは曲がりくねっている。


入口の門のすぐ近くにある旧家の内装を改装したカフェ。思わず入ってみたくなる。



こちらはお寺の入口。

入って正面と左右両側の建物の中では、ちょうど展覧会が開催されていて、入口の看板に描かれているような昔の中国の日常生活を描いた小品がいくつも展示されていた。


通りを抜けると、急に視界が広がり、池には遊覧ボートが浮かんでいる。



池の周囲は旧家を活かした飲食店がずらりと並び、店員さんたちは開店の準備に大忙しだ。




(次回に続く)



2016年5月30日月曜日

故宮博物院90周年・2つの故宮めぐり(台北編その4~最終回)

平成27年7月4日(土)

前の日に総統府の前を通ったら、7月4日が毎月一回の一般公開日にあたっていることがわかった。
台北(桃園)発が14時40分の飛行機で、午前中は少し時間の余裕があったので、これも何かの縁だと思い、最終日は総統府見学に行くことにした。



総統府に着いたら、入口前にはすでに親子連れなどの長蛇の列。ものすごい人気だ。
それでも流れは良くて、ほどなくして入場できた。入口では背の高い、きりっとした若い憲兵さんたちがてきぱきと差し出された身分証明書をチェックしている。
私たちの番になり、日本のパスポートを見せると、日本語であいさつしてくれた。とても親切な憲兵さんたちだ。

館内では20人から30人のグループになって年配の男性ガイドさんが館内を案内してくれる(案内は中国語)。

正面から入り、階段を上ると、突き当りには建国の父・孫文の胸像があり、さらに2階に上がり、案内されたのは孫文の霊廟、大禮堂。



そして1階は資料室になっていて、中華民国の歴史がパネル展示されている。
写真は台湾の日本への割譲が決まった下関条約の交渉場面。奥の中央が日本の全権、伊藤博文、手前は清国の全権、李鴻章だろうか。

帰りの時間も近づいてきたので、ホテルに戻り、身支度をしてホテルのロビーでお迎えのバスを待った。
迎えに来たマイクロバスは台北(桃園)空港に行く途中、お決まりのパターンではあるが、土産物店に寄った。知り合いに配るおみやげは空港で買おうかと思っていたが、ちょうどいいのがあったので、この店で買うことにした。

これがこの土産物店で買った鳳梨餅。英語表記はPineapple Cracker。
お店の女性は1箱に30袋入っていると言っていたが、家に帰って数えてみたら40個も入っていた。何ともお得。



これはこの店に飾られていた巨大な翠玉白菜(翠(=みどり)ではないので、白玉白菜か)。



わずか3日間の台北旅行であったが、台北の街の居心地の良さも、台北故宮博物院の所蔵品の充実ぶりも実感できた3日間だった。
それに日本から近いというのも何ともありがたい。フライトは楽だし、移動時間が短い分、現地での時間も有効に使うことができる。
近いうちに台北故宮博物院の特別展の企画に合わせてまたふらりと来てみたい、そう考えながら帰りの飛行機に乗り込んだ。
(台北編おわり)

飛び出す総統府のパンフレットは前回紹介した私のホームページでも紹介しているので、ぜひご覧になってください。
  ↓

ttp://hwm8.spaaqs.ne.jp/yamaguchi-25/2707taipeikokyu.html

2016年4月30日土曜日

故宮博物院90周年・2つの故宮めぐり(台北編その3)

平成27年7月3日(金)続き

ホテル近くの地下鉄・淡水線圓山駅から二つめの士林駅で降りて、そこからバスに乗って行くと緑に囲まれた故宮博物院が見えてくる。


到着したのは17時30分。いつもなら18時30分に閉館するが、金曜日と土曜日は21時まで開館しているので時間はたっぷりとれる。

それにしても展示品の充実ぶりがすごい。

日本軍の侵攻を前に、国民党政府が陶磁器、絵画など選りすぐった文物を上海や南京などに避難させ、さらに共産党軍に追われて台湾までたどり着いた第一級ばかりだ。

来日して人気だった翠玉白菜も肉形石もある。
日本では行列だったが、ここでは夕方に入館したので、狙い通りで人も少なくてゆったり見ることができたのもよかった。

それにしても陶磁器や青磁など、よくも割れずに海を渡って持ってこれたものだと思う。

ちなみに台北故宮博物院の館内は撮影できないので、館内の様子が紹介できないのは残念。
ということで、詳しくは國立故宮博物院の公式HPをご参照ください。

http://www.npm.gov.tw/ja/Article.aspx


この時期を選んだのは、創設90周年を記念して開催された特別展「典範と流伝-范寛とその継承者たち」で、北宋時代の山水画の大家・范寛の唯一の真作とされる「谿山行旅図」が展示されていたからである。

そのことは私のHPの「今月のコレクションボックス」平成27年7月号で紹介しているので、ぜひご覧になってください。

http://hwm8.spaaqs.ne.jp/yamaguchi-25/2707taipeikokyu.html


さて、歴代中国皇帝の文物を見たあとは、再び士林駅まで戻って夕食。
駅周辺をきょろきょろしていたら、やっぱりあった。
台湾素食の店だ。




注文したのは野菜あんかけ飯。ここもご飯は五穀米なのがうれしい。
すっかり台湾素食にはまってしまった。





夕食後は、士林市場やレンガ造りの士林市場の中を散策。

淡水線の高架の下まで出て、士林駅の次の劒潭駅まで歩いて、地下鉄に一駅乗ってホテルに戻った。
もちろん途中のコンビニでビールを買い込んで部屋飲みをした。


(次回に続く)

2016年3月20日日曜日

故宮博物院90周年・2つの故宮めぐり(台北編その2)

平成27年7月3日(金)
宿泊したホテル・帝后大飯店の位置を地図で確認すると、市の中心の北の方にあって、少し北上すると緑の多い花博公園がある。
そこで、朝食前に公園内を少し散策することにした。
それにしても蒸し暑い。梅雨がまだ開けていない横浜とちがって、ここ台北はもう真夏。
セミの大合唱がとてもにぎやか。

立派なガジュマルの樹

ホテルに戻って朝食。
口コミでは朝食がしょぼいので、外で食べたといった書き込みがあったが、とんでもない。
お粥、みそ汁、青菜の炒め物、豆腐などヘルシーで充実した朝食だった。
部屋も広くてきれいで、次に台北に来た時も泊まりたいくらい。



さて、最初の観光は市の南西部にある龍山寺(ロンサンスー)。
龍山寺は、清の乾隆帝時代の1740年に完成し、1945年に米軍の空襲で損害を受けて、現在の伽藍は1953年に再建修復されたもの。
本殿の装飾も石柱の彫刻も素晴らしい。








私たちも地元の参拝者にならって、三本の長い線香とお盛ものを売店で買い、さてどうやってお参りしようかときょろきょろあたりを見渡していたら、お寺の清掃係の若いお兄さんが、日本から来た観光客と気が付いてくれて、「一本目の線香はここ、二本目の線香はここ、三本目の線香はここ」と、私の持っていた龍山寺の案内パンフレットの境内地図を指差しながら日本語で香炉の位置やお参りのやり方を教えてくれた。

親切なお兄さんのおかげで無事、台湾式のお参りをしたあとは、東に向かって少し歩き、清末から日本統治時代の雰囲気が再現された街並みの●皮寮歴史街區(●はヘンが彔でツクリが刂)。
通りの建物はほとんど空家で、これからお店などが入るための改装をしているものもあった。
改装後に来てみると、賑わいがあっておもしろいかもしれない。

このあとは國軍歴史文物館の前を通り、建物の外に展示されていたドイツ製の魚雷を見たり、総統府の裏手を通ったりしたあと、地下鉄の西門駅から台北駅に向かった。


総統府の入口には毎月一回の一般開放日が掲載されていて、よく見ると7月は翌日(4日)になっている!明日は日本に帰る日だが、午前中に行かなくては。


お昼もやはり台湾素食。
台北駅の駅ビル「微風台北車站(Breeze Taipei Station)」にあるチェーン店の「明徳素食園」。
ここはバイキング形式で、盛り切り一皿に五穀米ご飯(大)とスープがついて124元(約500円)。
料理の種類が多くて、どれを食べようか選ぶのに苦労した。




ここで食後の休憩を兼てホテルにもどってシャワーを浴びて、少し休んだあと、今回の旅行のメインテーマである國立故宮博物院に向かった。
(次回に続く)



2016年2月14日日曜日

故宮博物院90周年・2つの故宮めぐり(台北編その1)

昨年(2015年)は故宮博物院が創設されて90年の記念すべき年。
台北と北京のそれぞれの故宮博物院で特別展が開催されていたので、昨年夏、2つの故宮博物院に行ってきました。
少し時間が経ちましたが、今月から「故宮博物院90周年・2つの故宮めぐり」を連載します。
まずは7月2日から4日にかけて行った台北の國立故宮博物院から始めます。

その前に一言。
2月6日朝、台湾南部を襲った地震で被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げるとともに、被災地の一刻も早い復興をお祈り申し上げます。

平成27年7月2日(木)台北

この日は成田空港発14時30分というゆっくりめの出発。
チャイナエアラインに乗って台北(桃園)空港に到着したのは17時過ぎで、それから市街地まで小1時間バスに乗り、ホテルに着いたのは18時を回っていた。



参加したツアーは、午後出発、夜帰着の台北フリー3日間。
初日は着いて夕食を食べて寝るだけ、二日目に市内を散歩してから夕方に故宮博物院に行って夜までいて、最終日は時間の許す限り市内観光といったおおまかなスケジュールを考えていた。

さて、今日の夕食は何を食べようか。
ホテルの部屋にザックを置いて、台湾素食の店を探しに出かけることにした。なぜ台湾素食かというと、出発前にガイドブックを見ていたら台湾には菜食主義の人が多くいて、素食の店が街じゅうにあると書いてあったので、今回の旅行では台湾素食に挑戦することに決めていたからだ。

泊まったホテルは日本人観光客ご用達の帝后大飯店(エンプレス)。
フロントの人たちも日本語が喋れるので、中国語がほとんどできない私としては心強い。
どの方向に行くと飲食店街があるかフロントの人に聞いて外に出た。

少し歩くといきなりアジアらしい光景が見えてきた。
道の中央に屋台が並ぶ夜市である。

飛行機に乗ればわずか4時間足らず。こんな近くなのに台湾に来るのは今回が初めて。
ひとつ街角を横切ると日本とは全く違うアジアがある。いきなりのアジアの熱気の歓迎にうれしくなってしまう。

雙城街夜市



雙城街夜市のにぎわいを通り過ぎて角を曲がると、あった!「素食」の看板だ。
中に入るとこんなにたくさんの種類の料理がずらりと並んでいて、一皿盛り切りで69元(約280円)。これにみそ汁と五穀米ごはんがつくから驚くほどお手頃な値段だ。


肉のように見えるものあるが、すべて野菜や大豆製品。どれも味がしっかりしていて美味しい。 

店の中の風景。テレビでは僧侶の説教がずっと流れていた。

お店の名前は「明心素食」。私たちはどうやら閉店前にすべりこんだ最後の客だったようで、私たちが精算をして店を出ると、店主ご夫婦は夕食を食べ始めた。
素食は日本の精進料理と同じで仏教と関係が深いのだろうか。このご夫婦はとても信心深いお方のようで、料理の並んでいる台の壁にはかわいいお坊さんの絵が貼ってあったし、テレビで流れていたのは僧侶の説教だったし、店名の両側にはお寺の印がしっかり書かれている。

あとでわかったことだが、台湾素食の店は閉まるのが早い。夜の8時には閉まり、アルコールも提供しない。
夜とはいえ、すでに真夏のような暑さで、喉も乾いたので、帰りがけにファミリーマートで台湾ビールを買って、シャワーを浴びてから、部屋飲みをした。台北の夜に乾杯。



2016年1月11日月曜日

新春・京都美術散歩

あけましておめでとうございます。
昨年一年間ご愛読いただきありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。

さて、今年も「京の冬の旅」非公開文化財特別公開に誘われて、土日にかけて新春の京都に行ってきました。

最初に訪れたのは建仁寺開山堂。
客殿の室中の間には左右の襖に描かれた龍と虎がにらみ合う加藤文麗の水墨画「龍虎図」。
上間と下間には原在中の「松鶴波図」「「白梅群禽図」。杉戸絵「孔雀図」「滝図」も原在中の作品で、とても力強く描かれていました。

建仁寺では現在、特別展「禅と武と画の生涯」が開催中です。
海北友松によって描かれた方丈障壁画(高精細デジタル複製)を、普段なら入れない部屋の中に入って間近に見ることができます。
本坊入口のポスターには「息のかかるほど間近な距離でご覧いただけます」と書かれていましたが、まさにその通り。
龍の鼻毛までよく見えて、龍の荒い鼻息がかかってきそう。

海北友松「雲龍図」

とても鋭い爪。今にもつかまれそう。


 こちらが全景です。二頭の龍が黒雲から姿を現すところはいつ見ても迫力があります。

2年前(2014年5月5日)にこのブログでも紹介しましたが、こうやって写真まで撮れるのはうれしい限りです。建仁寺さんありがとうございます。

午後は妙心寺天球院。
狩野山楽、山雪のきらびやかな金碧障壁画だけでなく、墨の濃淡だけで描かれた山水画の世界も印象的でした。


翌日には真如寺に行ってきました。



ここの見どころはなんといっても原在中の障壁画。
特に「西湖図」は、昨年末、実際に中国・杭州にある西湖に行ってきただけに、その時に見た光景と原在中の描いた西湖の景色を重ね合わせて、しばし部屋の前にたたずんでいました。

これで「京の冬の旅」の公開寺院を3ヶ所まわったので、恒例のスタンプラリーでちょっと一服。
京都駅近くにある「京湯元ハトヤ瑞鳳閣」のレストラン栄寿庵で抹茶と宇治金時をいただきました。とても美味しくて、ゆったりとくつろげました。



ちょうどこの時期は京都にしては暖かく、初日の夕方には友禅染の老舗・千總のコレクションを展示する千總ギャラリーへ行ったり、笹を求める人たちでにぎわう祇園の恵比寿神社に行ったり、2日目の午後は京都国立博物館で新春特別陳述「さるづくし-干支を愛でる-」を見たりと、盛りだくさんの内容で、とても心地の良い週末でした。

「京の冬の旅」のサイトはこちらです。それぞれの寺院の公開期間等はこちらでご確認ください。
https://www.kyokanko.or.jp/huyu2015/huyutabi15_01.html

〈Y〉

2015年12月15日火曜日

中国江南・上海紀行(10)上海市内続き

平成26年12月30日(火)上海市内続き

さて中国江南・上海紀行もいよいよ最終日。
比較的すいていた朝食会場でゆっくり食後のコーヒーを飲んでから私たちは魯迅公園に向かった。




魯迅公園に入って驚いたのは、太極拳で体を動かしたり、スピーカーから出てくる大音響の音楽に合わせて踊っている中高年の人たちの多さ。


街中の公園などで大勢で集まって踊ったりすることを中国では「広場舞」というそうだ。
それにしても朝からこの活気はすごい。
こういうところにも中国のパワーを感じたが、今年3月に近隣住民とのトラブルが絶えない、といった記事を見かけた(平成27年3月17日 朝日新聞朝刊)。
その記事によると、毎晩のように音響機器を持ち込んで中高年の女性たちが踊りまくっているとのことである。確かにこれだけの音量で夜に騒がれたら、近所の人たちはたまらないであろう。

広場舞に来る人たちは、太極拳や踊りを指導する先生を中心としたグループになっていて、先生は自分の名前を刺繍した旗をこうやって並木に立てかけたりしている。


魯迅公園の中にある魯迅記念館。


館内はもちろん魯迅一色。ガラス越しにも魯迅先生の顔が浮かんでる。


(魯迅については、年末に魯迅の故郷:紹興に行くので、あらためて詳しく紹介します。)


昼食は上海の中華街「豫園商城」。


さすがに本場中国、それに大都市上海の中華街だけあって、規模は大きく、建物も昔風に整備されていて、清代の中国にまぎれ込んだような気分だ。






昼食も好吃!(おいしい)


続いて、ヨーロッパ風の街並みを再現した「新天地」。
隅から隅まで本当によくできている。気分はすっかりヨーロッパ。
もし上海にフリーで滞在していたら、週末ごとにふらりと寄りたくなるような街だ。


メインストリートから少し横に視線を移すと、まるでイタリアの小さな街の路地裏のよう。
ランチタイムのあわただしい時間帯が過ぎて携帯の画面を見ながら一休みしているイタリア人のコックさんも絵になっている。


狭い路地に二人掛けのテーブルと椅子を並べるところなんてイタリアでよく見た光景。


さらに新天地の中をふらふら歩いていると、白と青のひし形を組み合わせ旗が。
あれ、これはミュンヘンに行ったときによく見かけたバイエルンの旗ではないか。
それにこのレストランの名前をよく見てみると、ミュンヘンの地ビール「パウラーナー」!
疲れた足を休めてドイツビールで喉の渇きを癒しに来たくなってしまう。


店の前に椅子とテーブルを出したり、軒先にメニュー表を貼りだしているのもドイツ流。



次は、中国の首相を長く務めた周恩来が1946~47年に国民党政府と会談を行った周公館。
建物の中は撮影禁止だが、当時の執務室、寝室が保存されている。

ここにはかつて中国共産党駐上海代表処だったところなので、道路を隔てた反対側の家には国民党のスパイが潜んでいて、人の出入りを監視していたそうだ。

庭園内の周恩来の像


ここで観光を終えた私たち一行は、バスで上海浦東国際空港に向かった。
わずか4日間の短い旅だったが、メインの上海博物館だけでなく、水郷古鎮の落ち着いたたたずまい、街の中に広がるかつての貴族たちが造園した庭園、新天地に代表される活気のある街並み、などなどとても内容の濃い旅行だった。

中国は近い、でもやはり日本とは違う外国。

今回、久しぶりに中国に来て、あらためてそう思った。

(「中国江南・上海紀行」終わり)


3月から始めたこの連載もどうにか今年中に終えることができました。
月1回ペースの更新でしたので、気長にお付き合いいただいた読者のみなさまに感謝します。

この連載の最後にもふれましたが、中国は、日本に近くて、似ているようで、実は違う外国、というのをあらためて感じました。
このブログを通じて、こういった中国を旅行する楽しさを少しでもみなさまにお伝えできれば幸いです。

今回の旅行記を連載している間にも、7月には台北、9月には北京、それぞれの故宮博物院に行き、年末には再び中国江南地方に行く予定で、このブログでのアップが追い付かない状態になってしまいました。
来年からも中国旅行記を順次アップしていきますので、引き続きご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
それではみなさま、少し早いですが、よいお年を。